2017/08/03〜08/05
FIA ALTERNATIVE ENERGIES CUP ソーラーカーレース鈴鹿2017
   (鈴鹿サーキット国際レーシングコース@三重県鈴鹿市)
■■ 5時間耐久レース・CHALLENGEクラス
 ■■■■ 5時間耐久    総合10位 / CHAクラス2位 / 55周 / 5:01'40.655


 2017年2月某日三重県のガレージ
 「なんかな、今年のソーラーカー、まこっちゃん仕事で来れやんみたい」
 「まあ、なんだかんだで毎年来とるし、今年も大丈夫ちゃうかな〜」
 ・・・大丈夫じゃなかった・・・

 ピヨちゃんマン登場
2017年のトピックス
 ・エースドライバー、仕事で欠場→ピヨちゃんマン登場
 ・エントラント、仕事で欠場
 ・参謀指令、北陸チームの引率が主務となる
 ・総監督、釣りに没頭する
 ・永年愛用してきたDL SOLARMAX(タイヤ)が販売終了
  →使ったことの無いBSにチェンジ
 ・ドライバー体重制限75kg→80kgにアップ

   うーん、致命的ネガティブ要素多すぎ・・・
   気を取り直して ポジティブ要素

 ・モリチメータ&モリチメトリーがバージョンアップ
 ・充電番長 亀ちゃん復活
 ・今年も近藤マッチ 新幹線を乗り継いで大会に間に合った 
◇ 2017年8月3日(木)車検前夜

最近は前日にピット搬入作業を済ませてしまいます。
台風が東シナ海に居る影響で雨が降ったり止んだりですが
何とか止み間を選んで搬入。
ピット前の排水溝を掃除してホテルに戻ると深夜1時前。

しまった。着替えを持ってくるの忘れた!
コンビニでパンツとTシャツを買って明日に備えることにします・・・
◇2017年8月4日(金)公式車検、フリー走行(予選)

昨日に引き続き、朝から小雨が降ったり止んだり。
ハレ男総監督パワーに期待しつつ車検に向かいます。
ドライバー車検では、2人の体重差0.1kg!なんか久々の朗報です。

その後も車検は順調に進み、いつも知恵の輪になってしまう
バラスト固定もベテラン車検員様の凄ワザで手早く封印完了しました。 
無事 車検合格です。
お昼ごはんを食べている間に雨が上がりコースもドライになりました。  
フリー走行スタート。
まずはしょうの君にタイムアタックをしてもらいます。すんなり4分30秒台を出してくれました。
残りの時間は私に貰えたのでたっぷり練習できます。試走会で参謀指令が北陸チームの引率の合間に
収集してくれていたデータを元に 確認したかったことを1つ1つ潰して行くことにしました。

結果、コーナー攻め攻めで行くしかないことが理解できました・・・
コンスタントに5分10秒で走ることができるようになったところでフリー終了。
消費は、、、目も当てられない状況からは脱した感じ(笑)

フリー走行が終わって雨対策&各所チェックしているとヒロちゃんがタイヤの異常を発見しました。
 正確には試走会終わりからタイヤの空気圧の変動に
 個体差があるのが気になっていて
 その原因がビード部分からの微量のエアー漏れだ
 ということに気付いてくれました。
 同じ現象に悩んでいたチームもあったようです。

 三瀬くんにアドバイスをもらい
 ビード部分にシーラントを塗ることとしました。
←写真は翌日の別件だけどこんな感じ
しかしながら20時近くになっていたので、私は一足先にホテルに帰らせてもらいました。
熱中症が恐いですからね。

他のメンバーはお風呂と前夜祭。(どうやら先にシーラントを買うのを忘れて焦った模様)
◇2017年8月5日(金)決勝

朝起きて窓の外をみると、今にも雨が降りだしそうです。
ホテルからサーキットに移動すると
すでにエンジョイの決勝レースが始まっていました。

相変わらず台風が東シナ海でウロウロしているせいで
ホームストレートは逆風(東風=海風)が吹いています。
と思ってたらやっぱり雨が降りだしました。う〜ん 辛いな〜
天候とはウラハラにエンジョイクラスは大激戦。
結果、エンジョイUではオリンパスRSさんが
昨年の雪辱を晴らし見事チャンピオン奪還!
昨年優勝の和歌山大さんが2位に入りました。
お見事です。

そしてエンジョイTでは、新しいソーラーカーのトレンドを
引っ張ってきた平塚工科高校の連覇がついに止まり
堺工科高校が優勝しました。筒井さんおめでとうございます。 
雨が上がり始めたので天気図と雨雲レーダーをチェックします。
どうやら風向きが東からやや南よりに変わっています。
湿った雨雲は南部に広がる紀伊山地がブロックしてくれている模様。
(これは、昨年実家の山の神の行事で餅まきをしたご利益か?ありがたや〜)
スタート前チェックを終えたら恒例の御祷りタイム。
ダルマ様に両目が入りますように・・・
そしてハーフドライのコースにクルマを押し出します。

スターティンググリッドでは 私も含め どのチームの人も
緊張でおかしなテンションになっています。
多分、コース上に居る誰もが
1年で最もハイテンションになっていると思われます。
ジャカジャカジャカジャカジャカジャーン! 
スタート3分前 スタートドライバーを残してチーム員は退去。
何やらRED ZONEがやらかした模様?

ポッ、ポッ、ポッ、ポーン!
ソーラーカーレース鈴鹿2017 5時間耐久決勝スタートです!
 RED ZONE以外は隊列に大きな変化は無し。順調なスタートです。
 ウチは例によって先行で行く模様です。
 しばらくしてRED ZONEがものすごい勢いでコースへ出て行きました。

 序盤はトラブルなく緊急ピットインもなさそうなので
 私はチームオフィスに引きこもり
 仁兄さんが買ってきてくれたテクノラスクを食べることにしました。
 そこへ仕事を終えた まこっちゃん到着。体型は私と似ているので
 ヘルメットを被れば入替われそうです。むしろそっちの方が違和感が
 無いと思います。
 でも、大人のチームはインチキをしてはいけないのでやめておきます。

 実はレース終盤を担当するのは初めてなのでポイントを2〜3確認しました。
 本当は消費を半分に減らす方法も教えて貰いたかった。
 --- 2時間経過 ---

しょうの君は順調かつ安定してタイムを刻み クラス1位をキープしてくれて
いますが ここから先でパンク等、不測の事態でピットインをした場合は
ドライバーを交替するので、レーシングスーツに着替えてピットで待ちます。
そんなに暑くないのでピットも快適です。
 参謀指令は北陸チーム主務ですが、モリッチ、亀ちゃん、近藤マッチが
 万全の体制でデータ収集してくれているので安心です。
 たつゆき後輩も来てくれたんで緊急ピットインでも対応できます。
 これで乗るプレッシャーさえ無ければ・・・

 --- 2時間30分経過 ---

 ドライバー交替をするチームが増えてきました。
 ライバルチームでは先ず柏会がピットイン。
 柏会も菊本さんが来れなくて 
 スタートドライバーは福北さんなんで引張らずに関さんに交替ですね。

 --- 3時間経過 ---

 堺市高がピットイン そういや堺は毎年こんな遅いタイミングだっけ?
 ピンクパイセンの圧力か(笑) 山岡くんお疲れ様でした。
 お隣のOSUがピットイン 毎年ピットインが
 重ならないように調整しますが 今年は余裕です。

 --- 3時間30経過 ---
 
 紀北ピットイン
 いよいよ中岡御大先生搭乗です。宮下さんお疲れ様でした。
 電池としょうの君の残量を確認します。
 電池は微妙、しょうの君はまだ大丈夫そうですが
 みんなの視線が痛くなってきました・・・

 仁兄さんもカメラのスタンバイOK。はぁ、覚悟を決めますか・・・

 --- 4時間経過するちょっと前(笑) ---

〜SCR2017の作戦について〜 首脳陣からのコメント

10年ぶりのピヨちゃんマン復活となったSCR2017は、天候をはじめ不安要素も多い難しいレースとなりました。キーワードはこの”10年”でした。

ここ10年でレースはかなり高速化し、ドライバーに求められる能力も変わってきました。対して、ドライバーのしょうの君は、気付けば既に10年、Flat_Outのステアリングを握って有利に繋いだ実績があります。

そのため事前の作戦会議で しょうの君に、例年(2時間30分強)以上のロングドライブを託すことにし、結果、3時間50分の超ロングスティントを披露してくれました。

これは、ピヨちゃんマゾの肉体的・精神的負担を軽減すべくとった作戦ではあるものの、同時にしょうの君に負担を強いる作戦でもあり、当日の状況を見、インカムで通信しながらの遂行となりました。

曇天でエネルギーをセーブしながらラップタイムを維持するという、ソーラーカーレースらしい矛盾した指令に耐えながらのドライブは、流石の一言です。そしてチームのレジェンド:ピヨちゃんマンに晴れ舞台を用意し、クラストップでピットに帰り、チームの熱い期待にこたえました。

MAXSPEEDピットイン! いつもはここでタイヤ交換ですが
タイヤ交換しません!(あと1時間やし) しょうの君お疲れ!(本当に)

コックピットに潜りこんでシートベルト固定。
キャノピー降ろしてロック OK!クラス1位のままピットアウト。

ホワイトラインカットとかギャグは無しです。今日は真剣です。
スピードを乗せつつインベタで1〜2コーナークリア。

後続が居ないことを確認してレコードラインに戻します。計器類指示値
異常なし。車体挙動異常なし。異音なし。ピットとの通信状態良好。

さー、楽しみますか!脳内BGMは水曜日のカンパネラ 桃太郎
「キッビダーン、キビキビダーン♪」
目標タイムは電圧なりの5分20秒。
このくらいなら余裕を持って乗ることが出来ます。

極めてニュートラルステア。よく曲がります。
10年前はアンダーも少し出てたけど、本当に良いクルマになりました。

ホームストレートは少し忙しいです。
・コントロールラインでストップウォッチを押す。
・バッテリ電圧、発電積算、消費積算を読み上げる。←インカム
・再びストップウォッチを押す時はスタートラインの辺り。
・ピットからの指示を聞きながら1コーナー侵入。
これのルーティン。

はっ、サインボードを見てなかった(ヒロちゃん、大ちゃんごめん。。。)
10年前に比べて参加台数が減ったのは寂しいですが
クリアで走ることができる時間が長くなりました。
S字区間がクリアだと楽しいです。

RED ZONEやOSUとのギャップタイムはピットから連絡がありますが
キチンとミラーでも確認しま・・・ん?
西「監督、監督、なんか黄色いクルマがミラーに映ったよ?」
監「あっ、それ紀北な。ペース上げとるんさ。」
西「抜かれるよ。抜かれて良いの?」
監「良いかどうかって言われるとなるべく頑張ってとしか・・・」
西「・・・。」 

 と言ってたらデクナー2個目!ブレーキを踏んでしまいました。
また少し近づいたかも?ヘアピンでめちゃくちゃ頑張ります。

おっ、抜かれなかった?(中岡先生はリスクの多い所では仕掛けません)
コーナーでは同等か?(フラフラ怪しいライン取りにドン引きしていただけ)
マッチャンを立ち上がりスプーンをクリア。そして裏ストレート。
「ATフィールド展開!!」

・・・ビューンって抜かれました。ビューンって(石原さとみ風)
気を取り直します。紀北が計算間違っているのかもしれません。
きっと間違っている。間違っていてくれ。

ピットからは少しペースアップの指示。離される訳にはいきません。
再びS字をクリアしてダンロップへ。おっと、今度は柏会に抜かれた。

西「監督しゃん、監督しゃん、今度は関さんに抜かれちゃったよ〜。」
監「あっ、それは同一周回に戻っただけ。大丈夫。」
チェッカーまであと5周くらい。1周1分詰められても大丈夫か。
がんばろう、日本。がんばろう、俺。

後で知ったのですが
仁兄さんがコースサイドで写真を撮ってくれていました。
ドライバー交代の時はピットに居たハズなのに?
毎年ながら忍びのような機動力です。
残り3周 

何やら登りの速度が乗らなくなってきました。

ダンロップで電圧をピットに報告。
ピット「うわ〜、やべ〜」
西「あっ、今誰か、やべ〜って言った。やべ〜って言った!」
・・・インカムの性能が良すぎるのも困ります。
残り2周

西「監督、監督、柏会は今どの辺?」
監「心配しなくていいから!
  そのクルマをチェッカーまで運ぶことだけ考えて!」

誰か、ユニック持ってきて〜。
ファイナルラップ

ダンロップは絶対きつくなるんで、ストレートからFLAT OUT(全開)!
スピードを乗せてキープする作戦です。でもS字遅い〜〜
そしてダンロップで つ い に コントローラの電源が落ちました。
スロットルを戻して復活。ジワジワ登ります。
よかった〜。このやり方をまこっちゃんに確認していたのです。
復活したから良かったのですが、一応ピットにも報告します。

西「監督しゃん、監督しゃん、コントローラの電源落ちてな〜、」
監「あっ、その時は、電源を・・・」 プー、プー、プー

電話が繋がらなくなりました・・・私は良いのだが
ピットはめちゃくちゃ焦るぞコレ。
デグナー、ヘアピンを抜けてマッチャンへ。
再び電源が落ちますが、ここで落ちることは予想できていました。

落ち着いて復活させてジワジワ登ります。ここさえ登ればあとは帰れる!
スプーンを超えて裏ストレート。日差しも少し出ています。
130Rを過ぎてシケインに侵入するところで電話が繋がりました。

西「シケイン!今シケイン!」
ホームストレート。2位のチェッカーをくぐります。
みんなが出迎えてくれています。
動体視力も悪いんで良く分りませんがどうやら喜んでくれている模様。
あ〜、よかった〜。止まらなくて良かった〜〜。

ゆっくりですが自走でパルクフェルメまで帰ることができました。
エネルギーマネジメントは完璧だったと思います。使い切りました。
でも紀北はもう1周行きましたので
結局1周差つけられちゃいました。トホホ。

今年はドライバーなので表彰台の上で表彰式を受けることが出来ます。
表彰台の裏に入るのも初めてですが、みんな和気藹々としています!
チャレンジクラスの表彰台に呼ばれました。
なんか照れくさいです。
トロフィーをもらいました。副賞をもらいました。
サーキットクィーンがシャンパン(本当は炭酸ジュース)を持ってきてくれました。
シャンパンファイトー!!

恐い。そういえば高所恐怖症だった。。。
◇レース結果
☆☆  総合 ゼッケン クラス チーム 周回   時間
  004 OLYMPIA TEAM RED ZONE 66 5:03'43.758
  12 DREAM OSU 大阪産業大学 64 5:02'19.035
  17 DREAM 静岡ソーラーカークラブ 60 5:01'59.140
  22 CHALLENGE 紀北工業高等学校 ものづくり研究部 56 5:03'32.058
  10 21 CHALLENGE Team MAXSPEED 55 5:01'40.655
  11 24 CHALLENGE 柏会 55 5:03'33.238
  12 23 CHALLENGE 堺市立堺高等学校 科学部 53 5:04'11.274
  公式リザルト http://www.suzukacircuit.jp/result_s/2017/solar/0805_odc_r.html

◇レース後に
MAXSPEED こうして26回目の鈴鹿の夏は終わりました。思えばTeam MAXSPEEDも結成20周年です。
本当に長くやってきました。現役高専生だった1992年の第一回大会、HONDA Dream号は
本当に夢のような速さでした。四半世紀経ち、Todayクラス(=800W以下)のクルマで
Dream号のように速く走れるようになりました。これから先、一体どうなるのでしょうか?
更に速くなるのでしょうか?それとも実用化に向かうのでしょうか?
その前に、目先のタイヤ問題。。。はぁ、どうしましょう?

まっ、でもこれだけは言えます。
Team MAXSPEEDはこれからもソーラーカーをやり続けます!
今後とお付き合いの程、宜しくお願い致します!!
 今年は10年ぶりにハンドルを握ったドライバーのレポートと夏の思い出と首脳陣のコメントでお伝えしました。(み)
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